今年の5月から5ヶ月間。
毎晩深夜に、原稿を書いたり校正作業を続けたりしてきた手話の本。
『はじめてでも そのまま使える 手話会話フレーズ 228』(池田書店)が、2023年10月に発売されました。
『はじめてでも そのまま使える 手話会話フレーズ228』
監修 鈴木 隆子
出版社 | 池田書店 |
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定価 | 1,650円 |
発売日 | 2023年10月 |
手話の世界で初めて!
「日本手話」と「日本語対応手話」を併記しました!
この本には、手話の本の世界で初めての特徴があります。
コンセプト
「人間に上下がないと同じく、言語にも上下がない」
私はかつて5年間、欧米のビジネスマンに日本語を教えていました。黒船で日本にきたペリー提督の6代目でハーバード大学院卒のペリーさんや、ドイツの保険会社の社長さんが私の生徒でした。
ペリーさんや社長さんは「自分の国の言語の方が日本語より優れている」なんてことは、絶対におっしゃいませんでした。言語に上下はありませんもの。
全ての日本語の文章に『日本手話』と『日本語対応手話』両方の表現が記載されている。
これが、この本の最大の特徴です。
かつて私は大学病院で4年半、手話通訳をしていました。その間、16歳で完全に聞こえなくなった中途失聴の患者さんからは、「私の診察の通訳の時は、『日本語対応手話』にしてください」と、いつも言われていました。
また逆に、生まれつきのろう者で日本語が苦手な方の時は、私もまだ完全ではありませんが『日本手話』で通訳するように努めました。
手話通訳をするときは、相手に合わせて、『日本手話』と『日本語対応手話』両方が必要です。どちらがいい、悪いではありません。言語学的に見て、種類が違うだけです。そのことを強く主張したいと思います。
※ちなみに、この本の『日本手話』の表現は、私の周りの『日本語力のある日本手話話者』の方に確認した上で、掲載しています。
日本語の文法と比較した解説
例えば人を勧誘する時の表現は、日本語と手話では異なります。日本語では「しましょう」「しましょうか」「しませんか」「しよう」「しようか」「しない?」こんなにたくさん勧誘表現があります。
ところが手話には、日本語ほど多様な表現はありません。日本語の文法を軸に手話の『勧誘表現』について比較して説明しています。
5ヶ月間、睡眠不足を続けて書き上げた、私の血と汗と涙の結晶が本になりました。
新宿の紀伊國屋書店で平積みにおいてくださっているのを見たときは、嬉しくて泣きそうになりました。
手話通訳士と日本語教師の2つの視点で作ったこの本が、皆さまのお役に立つことができれば、この上ない幸せです
★ちなみに……
発売から3週間で、重版が決定いたしました!!
皆さまに心より感謝申し上げます。